■ トラブル・シューティング Z32 /Q3>

                                                       平成25年6月施工

  <症状> ・・・ ブレーキの分解・整備。 ブーツに亀裂が合った為、前後の4個を脱着
          し、日産純正リペアーKitを使用して分解・洗浄・整備をする。



 <解説> ・・・ 今回のZ32/ターボ・H2年車、走行距離約12万kmの年式として更年期
          に入ったような、フェアレディZです。 
          
          車体は、3年ほど前に当社でオールペイントを施工しています。
          ご依頼を受け、前後4個のキャリパーを分解・整備をしました。

          


写真1 : 今回の作業は、リフトで行うことが一般的ですが、今回は
      平地の工場内でいたしました。4点に馬を掛けます。
      
      ローター&キャリパーを目視点検しました。
      かなり汚れています、昨年末ごろに車検を受けていますが、
      認証工場では無い、代行業者のユーザー車検だった。

      2年に1度の車検時には、足回り・ブレーキ部は高圧洗浄
      いたします。 2年間のブレーキパッドのダストを洗浄する。
      また目視点検もして、異常を確認する必要がある。
  


写真2 : ブレーキのフリュードは、事前に抜き取ります。
       成分は、アルコール分が含まれ、吸湿性が有り劣化します。

       2年に一度の車検時には、総て抜き変え指定の(DOTー3)
       高性能なフリュードを使用いたします。



写真3 : ブレーキパッドを外した。
      パッドは残りが、5mm以上だったので再使用が可能である。

      ローターはやや摩耗していたが、今回はこちらも再使用。
      クラックは発生していないが、凸凹減りキズはある。




写真4 : ブレーキのローターにも、摩耗の限度値があります。
          (参考値、ターボ車の場合・OPZ25VA)

       新品の標準値:30mm      摩耗限度値:28mm


       ローターにクラックが有ったり、使用限度値を越えていたら
       交換をいたします。 限度値以内でも、深い凸凹繊溝キズ
       などが有れば、両面を研磨・バランス取りをしたかった・・。

       しかし、近年はこうした研磨業者が廃業している。
       社外品のローターが安く流通している為であろうか。
 追加画像:過去のローター研磨作業の画像を見つけました。下の3枚参考に。


写真5 : さて、キャリパーを分解しますが、外観が酷い。

       あまりに、酷い!ハッキリ言う。 何をしていたの!
       スポーツカーと認知しているの。怒りすら覚える・・。
       (厳しく言いますが、これも愛着の警鐘です、オーナーさま)

       このダストの付着と蓄積・・・驚愕であった。
       重要な防水ブーツも切れている。
       

写真6 : 気を取り直し、ひたすら洗浄・・。
       そして、分解します。やや見るのも辛い・・。 使えるの?

       古いブーツ・リング・シールは破棄します。
       アルミ製のキャリパーなので、内部は綺麗、救いです!

       この段階で、キャリパーを色塗りするのも良しです。
       参考画像→ @ A ご用命ください。
   


写真7 : 洗浄した、ピストンの状態です。

       前後のキャリパーで、ピストンの色が違いました。
       ピストンには、工業用の硬質メッキが施されています。

       外側に面している部分(凹)は、サビが多く発生している。
       ここのサビは、問題ありません。
       

写真8 : キャリパーのリペアー用のシールKitです。
       画像では、純正品と社外品の2種類を提示しています。

       手順に従い、組み付けます。こうした作業は、保安基準の規定
       で、運輸省から認められた「認証工場」でしか施工が出来ない。

       正式には、関東陸運局認証 「分解整備認証工場」となる。

       主な基準は、敷地面積・基準の整備工具・リフト・排ガス検査機・
       2級・3級の整備士の人数と検査主任の常駐などである。

写真9 : ローター・キャリパー・ブレーキホースと組み付ける。
       ブレーキフリュードの注入は、エアー抜きの作業があるので、
       2人での作業である。

       ABS付きや、ハイキャス装備なので、エアー抜きは容易では
       無い。何度も走行したりして再度おこなうこともある。

       もちろん、各部の漏れやにじみが無いかテスト走行確認する。


                             (平成25年7月記:Hiro)