<作業> ・・・ Z32(300ZX)NA車のカムカバー・オイル漏れの作業を紹介。 (今回の作業は、2回目となります。1回目も当社) 走行距離16万kmです。 前回は約9万kmでタイベル交換とカム カバーからのオイル漏れを修理しました。 平成5年車 ここでは、インテーク・マニホールドの洗浄状態(理由)や、表面の 傷みを化粧する方法など、記録します。
<解説> ・・・ インテーク・マニホールドは、ターボもNAも年式も無関係に内部がオイル で汚れています。 またその表面も経年の劣化や汚れが付着しています。 オイル汚れの理由や、表面の処理・化粧再生を紹介いたします。 特に、前期型の内部(インテーク・マニホールド)は、オイルとカーボンの 付着汚れが酷い状態に有ります。 注:ここで言う"インテーク・マニホールド(略・インマニ)"は、メーカーの整備書 では、"コレクターASSY"との名称になっています。
写真2 : タイベルカバーのボルトの傷みは、すべて酷い状態でした。 その他のウォーターポンプなどは、未だ十分に使用できる状 態でしたが、4本のカムの前オイルシールより、オイル漏れ。 カムカバーからも、漏れが発生していました。 タイベルも脱着するので、この際にタイベル交換もしました。 カムカバーを外すので、インテーク・マニホールドを外します。 何故、マニホールド内部にオイルが溜まるのでしょうか。
写真3 : 写真2は、4個のカムの前に付いているカムスプロケット の裏側より、オイルが漏れて下のクランクプーリーまで垂れ てきていました。 前回のカムカバーオイル漏れでは、ここのオイルシールは 交換していませんでした。 タイベル交換時にも可能な作業ですが、別費用となります。 別のページにも書きましたが、カムスプロケットを外すため には、カムカバーを外す必要が有ります。 無理に外そうと思えば可能ですが、的確な締め付けトルク が計測出来ませんので、いたしません。
きれいな空気を取り入れ、ガソリンと混合させて圧縮爆発 するのが、ガソリンエンジンの仕組みですが、この綺麗な 空気にブローバイガスを混入させ、ガソリン・爆発をする。 そのブローバイガスが液体化して、インマニ内に滞留いた します。 ブローバイガスは汚れです。 しかも、前期型のZ32はEGRシステムと言う、排気ガスの 一部を同じ、インマニ内部に還流させている、仕組みがあり ます。 要はカーボン(スス)です。 とても綺麗な空気をシリンダー内部へ入れると言うことでは ありませんね。 (理由は割愛いたします。)
写真5 : 左上の画像は、インジェクターのホルダーです。 インマニのすぐ真下部で、各シリンダーへ空気が配分され、イン ジェクターから噴出されるガソリンと混合されます。 そのインマニを外した直後ですが、エンジンオイルの付着を見る ことが出来ます。 (左下はインマニの裏側。)
下の画像は、前期型に採用されているEGRのダイヤフラムと、 そのパイプ(左右に有り)が、インマニの裏側に入って行きます。
写真7 : 画像では、ターボ車とNA車のインマニが写っています。 全分解と、部分分解の2種類を提示してみました。 マスキングの手間は、部分分解の方が大変です。 費用面で余裕が有れば、インジェクターホルダーも分解洗浄 を推奨いたします。
写真8 : インマニには、車体塗料を採用しています。 下処理には表面の脱脂後、密着剤を塗布してから、加熱乾燥。 シルバー(細目)の原色に、ブラック色とオーカー色を調合して、 アルミの地金色を再現しています。 仕上げには、UVコートのクリアー塗料を通常の3倍ぐらい、塗布 して、表面の平滑性を高めています。
写真9 : こうした再生・化粧方法は他にも有ります。 表面の砂肌を研磨して、ポリッシュの光沢を出したり、高価な クロームメッキを施したりする、手法です。 その他、ブラックのマット塗装にしたり、結晶塗装(各色有り)など エンジンルーム内の、新鮮な演出も可能です。 海外の参考画像も交えて、ご紹介をしてみました。
・・・・・・ 閲覧をありがとうございました。・・・・