■トラブル・シューティング <Q6>・・・その1のみ

 <症状> ・・・ Z32のマニアルシフト(5速)の、シフトレバーの不快なガタを検証して
          修理してみましょう。あまりのガタは、シフトミスにも繋がります。

 <解説> ・・・ Z32に限らず、マニアル車両では長年の使用で、シフトにガタが発生してきます。
          車両によっては、形状や素材など違いがありますが、ここではZ32の実例を検証します。
          パーツは、いずれの場合も小さな樹脂類がほとんどです。
          当然単価は安いのですが、やや場所が狭いのでちょっと苦労します。
          でも、その後のシフトチェンジは、楽しいものになると思いますよ。

          


写真1  修理作業は、室内側から出来るので雨天の暇な時に
      トライしてみるのも良いでしょう。
      狭いところでの作業なので、パーツなど下に落とさない
      ように注意してください。
      たぶん修理工場へ依頼しても安いかと思います。

      まずは、ステレオフィニッシャーと、シフトフィニッシャー
      を外します。青色のパーツです。
      先にステレオフィニッシャーを外さないと、シフトフィニッシャー
      は外せません。細かいパーツは省略します。
 


写真2 : シフトノブですが、緩み止めのため接着剤で固定されています。
       やや堅く強固ですが、タオルなどで巻いて緩めてみてください。

       この際交換をしようかなと、お考えでしたら最終型の赤い糸で
       縫製したシフトへの交換も良いかと思います。
       価格はそれほど変わらなかったかと思います。



写真3 : シフトのシャフトは、下部がダストや騒音からの防止に
       ブーツ覆われています。
       このブーツも時々、痛んで破れていた時もありましたので
      必要に応じて購入・交換してください。
      左図は、青色がブーツです。
      ブーツは、2重になっていますので、注意してください。
      このブーツなどを固定しているシフトパネルを外します。
      


写真4 : 再度、別の資料から全体図を検証します。
       シフトシャフトや、フィニッシャーなどの構成が判ります。

       シフトシャフトが露出するまでは、それほど難しい作業
       ではありませんが、シャフトの下のナットを外すのが、
       ちょっとやっかいな作業です。
       2個ありますが、特に下側のナットが、外すのに苦労
       します。(組み付け時に入れるのも苦労しますよ。)

       また、シャフトの最下部の太いボルト&ナットも外せば
       シフトシャフトAssyが、取り出せます。
       シャフトやボルト・ナットは青色で表示しました。
       (赤色が交換するブッシュリングです。)

写真5 : 取り出したシフトシャフトの下部です。
       茶色のパーツが、ブッシュリングです。
       やや堅い樹脂製品のようですが、ここがすり減って
       破損していました。
       完全に無くなっていた車両もありました。ここでのパーツ
       破損によるクリアランスは、わずかなものですが、上部で
       の作用角度は、大きなガタとして現れます。
       
写真6 : ブッシュリングです。価格は約250円位です。2個必要です。
       右側が新品のパーツです。
       左側は痛んだ古いパーツです。
       これを交換しますが、グリスの塗布や中央のカラーを入れ
       忘れないように。

       パーツの番号は、34139−30P00です。
       (パーツの番号は時々変わりますので、確認してください)
       


       

写真7 : 画像では、新しいブッシュリングが組み付けてあります。
       この状態で、組み立てをいたします。
       とにかく、狭い所での作業なので、パーツを下へ落とさない
       ように、注意深く組み付けをしてください。


写真8 : 組み付けが完了したら、シフトの具合を確認してください。
       かなりの改善が見られると思いますが、もしあまり変わらない
       ようであれば、別のヶ所での不具合が考えられますので、
       修理工場などに、ご相談ください。

       今回の作業では、もしクラッチ交換など修理工場へ依頼され
       るような時には、このブッシュの交換もついでに依頼される事
       を、お勧めいたします。


       
写真9 :左の画像は、関係ありませんが”SMZ”STILLEN社の特注
      カーボン製シフト(中央)です。
      試作として制作した7個のうち、1個を提供していただきました。
      機会があれば、復刻したいのですがね・・。

      このページは、読者のF氏へ捧げます。
      この場より、改めてお礼申し上げます。



                               (平成18年9月記:Hiro)