■修理車両・・・’88年式. S13型.シルビアセダン日本仕様、2ドアー、走行 不明
■作業内容・・・リアーフェンダー・左側コーナー部の損傷
          リアーテールランプやバンパーの交換
         リアーフェンダーを交換しないで、鈑金にて修理
、etc・・・。('94年4月頃の修理作業)
        通常であれば、交換のパーツをあえて鈑金した。神業の職人仕事。(記載・平成21年2月11日)


S13 シルビアの修理ー1   S13 シルビアの修理ー1

(1) S13型・シルビアセダンが後方より、追突を受け左側コーナー部が、大きな損傷となってしました。
   写真の残っていた点数が少ないのは、保険会社へ提出してしまったから。

  画像には無いが、リアーバンパー・レインホース・テールランプ・など大型パーツは、総交換。
  左側のリアーフェンダーは、リアーからの追突により、リアー・タイヤハウスまで3/2以上が、損傷を
  受けてしまい、左ドアーまで押されて、開閉が困難であった。


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(2)これだけの損傷を受けた場合、左リアーフェンダー・バックパネル・コーナーパッチなど、切りはずし、トランク
  パネルは鈑金する手順となります。 その場合、リアーシートやリアーガラスも脱着します。
  しかし、そうした作業はモノコックボディーである、車体フレームの構成を変えてしまうため、あまりしたくない作業
  手順となります。・・・そこで、この複雑難解な鈑金に、トライすることにしました。

  画像では、リアフェンダーパネルの一部に穴を開け、そこを基点としてポートパワーで引き出しながら、鈑金
  いたしました。何も交換せず、ただただひたすら、鈑金と絞り作業を繰り返しました。究極の職人技です。
 

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(3) テールランプやリアーバンパーなど、何度も仮合わせをしながら、正しい形状を確保する鈑金をくり返し
   ます。 交換してしまう方が容易で、確実な形状が得られます。しかし、古い車体や、パーツが無い時は、
  どうしますか? こうした職人の技を磨く機会も、我々には、大切な時間なのです。


(4) サフェーサー塗装と、破れたシーリングを純正時と同じように再生します。
  内部も同じように再生します。 トランクを開けた時や、内張を脱着したときでも判らないように、両面を
  鈑金して新車当時を再生・復元します。(両面・鈑金再生)

(5) 塗装が終了しました。 特段の解説はありませんが、バックパネルには新車時と同様な塗装を再現します。
  アップの写真が無いのが、残念ですがコーキングなど、無傷の右側を観察しながら、同様の形状に塗布し
  ます。 車体のシルバー色の塗料も必要以上、バックパネルに塗装しないよう注意します。


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(6) トランク内部は、カチオン塗装にて再現色を演出し、車体色のシルバーも塗装しずぎないように塗布します。
  トランク内部のシーリングも同様に、右側のトランク内のシーリングと同様の形状・筆コーキングを再現して
  います。
  
  完成写真など無いのが残念ですが、こうした両面の鈑金と新車時状態の忠実な再現に労を費やす、企業は
  確実に少ないと自負いたします。まっ、保険屋さん泣かせかもしれませんが、事故後の修理・現状回復には
  時間と労力は欠かせないことなのです。

                                                       (平成21年2月記・Hiro)